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【義姉犯す】 著:由紀かほる  ナレーション:水野なか

小説
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若杉伸也は義姉の綾子に恋焦がれていた。

綾子が兄の信雄の妻として若杉家にやって来たのは三年前のことだ。

将来を嘱望された医師の妻として、家柄、容姿、性格、気品、どれをとっても申し分ない女性であった。

伸也は兄に対してコンプレックスを抱いていた。

同じ医師の父を持ちながら、医大を出て医師になった兄にひきかえ、自分は二流の大学に金で入った上に、六年経っても卒業できずにいる。

だが、自分には、一旦失ったら二度と手に入れられないこの若い肉体がある。

自分こそが綾子に相応しいと、伸也は疑わなかった。


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