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【ともぐい】 著:河﨑秋子

小説
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己は人間のなりをした何ものか。

人と獣の理屈なき命の応酬の果てには明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。

図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化。

すべてが運命を狂わせてゆく。

人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河﨑流動物文学の最高到達点。




 
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